これは手軽!iPhoneもスマホも置くだけ簡単充電

 


スマートフォンを充電するには、いちいちコネクターにケーブルを接続する必要があるが、着脱がめんどう。とはいえ、充電を忘れてしまうと、いざというときにバッテリー残量が心もとないということも

従 来の携帯電話に比べて高機能なスマートフォンは、バッテリーの消耗が激しい。いざというときのバッテリー切れを防ぐには、こまめな充電が欠かせないが、い ちいちケーブルを接続して充電するのはスマートじゃない。でも、ワイヤレス充電規格「Qi(チー)」に対応した充電スタンド「エアボルテージ WP-QIST10」 を使えば、充電スタンドに置くだけの手軽さで対応スマートフォンを充電できる。さらに、 Qi対応のiPhone 4/4S対応充電カバーも発売されているので、iPhoneユーザーであってもワイヤレス充電の恩恵を受けられるのだ。今回は、そんな大注目のQi対応ワ イヤレス充電スタンド「WP-QIST10」を試してみよう。(ライター/柳谷智宣)

今や大人気のスマートフォン。この記事を読んでいる人の多くはiPhoneやAndroidなどのスマートフォンをお持ちだと思うが、従来の携帯電 話と比べて、バッテリーの減りに不満のある人も多いだろう。パソコン並みに多機能なスマートフォンは、その分バッテリー消費が早い。予備のモバイルバッテ リーを携帯したり、自宅やオフィスにいるときは常に充電しておくなど、自分なりのバッテリー対策が必要になってくる。

だが、このスマートフォンの充電が思いのほかめんどうだ。小さな端子にいちいちケーブルを挿し込まなければならないし、充電中に電話が鳴ったり、部 屋を移動したりするときには、ケーブルを外して、用が済んだらまた接続し直し。ひんぱんに抜き差しを行うと、コネクターの劣化も心配だ。とはいえ、ちょっ と気を抜いて充電を忘れてしまうと、肝心の外出時にバッテリーが不十分だった、なんてことにもなりかねない。スマートフォンユーザーにとって充電は悩まし い問題なのだ。

そんな充電にまつわるめんどうを楽にしてくれるツールとして、昨年から「ワイヤレス充電器」と呼ばれる製品が登場している。業界標準のワイヤレス充 電規格「Qi(チー)」に対応した機器なら、充電台にポンと置くだけでチャージ可能。AndroidスマートフォンではQi対応モデルが増えてきている し、iPhone 4/4Sユーザー向けには対応充電カバーも発売されている。ワイヤレス充電を体験してみると、この手軽さはかなりエポックメイキングなことだと感じるはず だ。

2012年1月に発売されたマクセルの「Qi(チー)」対応ワイヤレス充電器「WP-QIST10」。スマートフォンの充電に適した、スタンド型デザインを取り入れたのが特徴だ

こ のQi対応ワイヤレス充電器の最新モデルとなるのが、この1月に発売されたマクセルの「エアボルテージ WP-QIST10」だ。同社は昨年すでに、マット形状の充電ステーション「エアボルテージ WP-PD10.BK」を発売していたが、ユーザーからの要望を取り入れ、スマートフォン用の省スペースなスタンド型に改良したのが本製品だ。この形な ら、リビングテーブルの上やベッドサイドにも気軽に設置できる。もちろん、スマートフォンを置くだけで充電できる手軽さは同じ。今回は、iPhone 4/4S対応充電カバー「WP-SL10A.BK」を装着したiPhone 4を使って、最新Qi対応ワイヤレス充電スタンド「WP-QIST10」を徹底レビューしていこう。

  • ワイヤレス充電規格「Qi」に対応した充電器やデバイスには、こんな「qi」のロゴマークが付いている
  • ワイヤレス充電規格「Qi」に対応した充電器やデバイスには、こんな「qi」のロゴマークが付いている。将来は、スマートフォンだけでなく、ゲーム機やデジタルカメラ、生活雑貨などへもワイヤレス充電が広がっていくと期待されている

使い勝手をチェックする前に、まずはワイヤレス充電規格の「Qi」について知っておこう。「チー」という少し変った名前が付けられているが、これは 「気功」の「気」を由来としたもの。ワイヤレス充電の「離れたところからエネルギーを送る」というイメージにぴったりだ。非接触のワイヤレス充電を行う機 器は、このQiが登場する以前にも電動歯ブラシやコードレス電話機など、いくつか例があるが、製品ごとに独自の方式が採用されていたため、汎用的に充電を 行うことはできなかった。しかし、2010年にWPC(Wireless Power Consortium)がワイヤレス充電方式をQiとして標準化したことで、普及の土台が整った。ちなみに、日本国内でのQi対応製品としては、2011 年4月にマクセルがQi対応充電ステーション「WP-PD10.BK」を発売したのが最初となる。

ワイヤレス充電は、中学校の理科で習った「電磁誘導」を利用する。コイルに磁石を出し入れすると、磁力の変化によってコイルに電流が流れるという実 験を覚えている人もいるだろう。この原理を使い、送電側のコイルが発生した磁力の流れを、受電側のコイルが電流に変えてバッテリー充電を行う。ただ、充電 器と充電対象のコイルが離れていると、充電効率が落ちてしまうため、Qiではフリーポジションで充電を行うための3つの方式を規定している。

Qi規格の3つの方式

 

方式名称 マグネット吸引方式 可動コイル方式 コイルアレイ方式
イメージ マグネット吸引方式 可動コイル方式 コイルアレイ方式
特徴 送電端末と受電端末に強力な磁石を設置。磁力を使って、お互いのコイルの位置を合わせる。 受電端末のコイルを発見すると、モーターで送電端末のコイルを動かし、お互いのコイルの位置を合わせる。 送電端末のコイルを敷き詰め、位置自由度を高めている。受電端末が置かれた付近のみ磁気が発生する。

最初の方式は、充電器の中央にコイルをセットし、磁石の力を利用してデバイスを引き寄せる「マグネット吸引方式」。構造上、コイル1つで済むのがメ リットだが、コイルの中央に強力な磁石を設置することになるので、磁気カードなどに影響を与える可能性がある。この方式とは反対に、充電器のコイルを移動 させるのが「可動コイル方式」だ。充電対象のデバイスを載せると、電流の干渉状況から位置を測定して、受電側のコイルの真下に充電器のコイルを移動させ る。コイル同士の位置をぴったりと合わせられるので、高い充電効率が期待できるが、いっぽうで、駆動部分があるために、小型化、薄型化が難しい。

そして3つめの方式となるのが、今回紹介する「WP-QIST10」が採用している「コイルアレイ方式」だ。その名前のとおり、複数のコイルをずら りと敷き詰め、その上なら充電対象のデバイスをどこに置いても充電することができる。センサーによって受電側コイルが置かれている位置を測定するので、必 要な部分にだけ磁気を発生する。2番目の「可動コイル方式」に比べ、可動部分がないので故障しにくく、充電台の大型化、薄型化にも適しているのだ。

ちなみに、「コイルアレイ方式」では、コイルの巻き線を基板上にプリントすることも可能なため、薄型化も容易。今回紹介するワイヤレス充電スタンド 「WP-QIST10」では、コイルの一部を基盤に実装したため、昨年発売された「WP-PD10.BK」よりもさらに薄型化が進んでいる。

巻き線と基板実装のハイブリッド型になっているのが特徴

バッテリー充電器

 

http://www.chargers.jp/